もしぼくが鳥だったら:パレスチナとガザのものがたり

もしぼくが鳥だったら
:パレスチナとガザのものがたり

いまでも なつかしくおぼえてる、
「ぼくたちの庭」「ぼくたちの家」
ある日突然、追い出された。

「あの人たち」が ぼくたちから 家をとりあげ、
遠い国から来た人たちに あげてしまった。

「どうして あの人たちが
ぼくたちの ひろい土地に すんで、
ぼくたちは こんな せまい ばしょに
すんでいるの?」

――主人公の少年が やさしくやわらかく語る
   パレスチナとガザのものがたり

高校「歴史総合」教科書にも出てくる「ナクバ(大災厄)」
―― 人々は「ふるさとから おいだされ
    とおいところで くらすことになった」(巻末解説より)

ファーティマ・シャラフェッディーン[文]
アマル [絵]、片桐早織 [訳]、鈴木啓之 [解説]

原書はアラビア語
ISBN 978-4-910343-08-2
24p 縦226mm×横208mm B5変形 上製本
定価¥1,800+税

ファーティマ・シャラフェッディーン [文]
1966年ベイルート生まれ。レバノン・アメリカン大学で幼児教育を学ぶ。イスラエルによるベイルート侵攻を経験。レバノン内戦を逃れアメリカへ移住した。オハイオ大学で教育学とアラブ文学の修士号を取得。
絵本・児童書・YA文学作家として、160余の作品を執筆。絵本『ラマダーン』ワールドライブラリー,2024を片桐早織氏が邦訳。作品テーマは多岐にわたり、楽しい絵本も多い。ブリュッセル在住。ボローニャ・ラガッツィ賞 (ニューホライズン賞) 2016ほか受賞多数。

アマル [絵]
アメリカ生まれ。両親はパレスチナから米へ移住した。サンフランシスコのアカデミー・オブ・アート大学で芸術学修士を取得。絵本My Key でNorthern Lights Book Award 2022 を受賞。パレスチナの出版教育機関 Tamer Institute からも作品を出版。

片桐早織 [訳]
国文学科を卒業後、オリエント考古学を学ぶ。古代オリエント博物館・早稲田大学・筑波大学などの発掘チームに加わり、シリア、エジプト、イスラエルの発掘調査に参加。更に中東の各言語や昔話を学ぶ。
アラブイスラーム学院第1期卒業。司書資格を生かし同学院の司書も務めたほか、国際子ども図書館(国会図書館分館)にて中東言語絵本の選書などを担当。中東の絵本や昔話についての研究、講演多数。また中東と日本の昔話紙芝居を制作、多言語で演じ、物語を双方向に届けている。

鈴木啓之 [解説]
東京大学中東地域研究センター・特任准教授。学術博士(東京大学)。著書に『蜂起〈インティファーダ〉と占領下のパレスチナ(1967~1993年)』(第9回南原繁記念出版賞)、編著・共著書に『ガザ虐殺を考える』『ガザ紛争』『パレスチナ/イスラエルの「いま」を知るための24章』『中東を読み解く:東大駒場連続セミナー』、共訳書にラシード・ハリーディー著『パレスチナ戦争:入植者植民地主義と抵抗の百年史』ほか多数。